相馬農高飯舘校が閉校、本校舎に機能集約 周辺に産業団地整備へ

東京電力福島第1原発事故の影響で休校している相馬農高飯舘校(飯舘村)が15日、閉校する。村は飯舘校周辺に産業団地を整備する方針で、本校舎(南相馬市)への統合と県有地の譲渡などを県に求めており、地元の要望に応えた形だ。県教委は村の復興を支援するため、飯舘校の伝統や機能を本校舎に集約する考えで、県有地の扱いなどについて詳細を検討していく。
県教委は8日の定例会で閉校に伴う県立高校学則の改正を承認した。15日の県報に公示する見通しで、学則は同日の施行となる。
県教委によると、飯舘校は1949年5月に相馬農高大舘分校として開設された。56年の町村合併で飯舘分校に改称、2008年に現在の校名となった。
11年3月の原発事故で全村避難を余儀なくされ、学校機能を県教育センターに移転。12年度に福島明成高(福島市)にサテライト校を開設した。18年度に生徒募集を停止し、20年度から休校していた。
飯舘校を巡っては、村が運営する村立高校として存続させる計画が浮上したが、財政面などで断念した経緯がある。村は昨年度から産業団地の整備に向けた立地調査を進め、同校周辺を含む深谷地区を候補地に絞り込んだ。整備予定地は村中心部で、県道原町川俣線沿いの道の駅の向かい側となる。面積は11・1ヘクタールを想定。着工、完成時期は未定。
背景には、村内居住者が東日本大震災と原発事故前の3割に満たない状況がある。村は、産業団地が村内への移住定住の呼び水になることを期待しており、雇用の場を早期に確保することで、帰還者や移住者の増加につなげたい考えだ。
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