住宅浸水1300棟超に、福島県・浜通り豪雨 いわき中心に被害拡大

浜通りに大きな被害をもたらした記録的豪雨で、県は11日、県内の住宅被害がいわき、南相馬の両市で床上浸水1168棟、床下浸水211棟になったと発表した。全壊は1棟。新たにいわき市で5人のけが人が判明したほか、いわき市の藤原川、南相馬市の前川、小高川の計3河川6カ所では堤防の決壊も確認された。
浸水被害はいわき市を中心に拡大。11日には市内各地に災害廃棄物の仮置き場が設置され、住民らが浸水被害を受けた家具や畳を搬入するなど、復旧に向けた動きが本格化している。
新たに判明した5人のけが人は、大雨で水に漬かるなどして体調不良を訴えた。河川の被害は決壊した3河川6カ所に加え、いわき市の新川や鮫川など10河川で越水、南相馬市の北鳩原川、川房川の2河川で堤防の浸食が判明したという。
通行止めが続いていた道路のうち、県管理の道路は11日時点でいわき市の上戸渡広野線を除き通行規制が解除された。同路線は道路の約半分が崩落しており、本格復旧には時間がかかる見通しだ。農業被害状況は調査を継続中だが、いわき市では南部を中心に田んぼで冠水や土砂流入などがあった。南相馬市でも河川決壊による冠水など、富岡、楢葉の両町でも野菜に被害が出た。
一方、いわき市で発生した断水は解消。鉄道は10日朝までに通常運転となり、高速バスや路線バスも一部区間で迂回(うかい)運行するなどおおむね復旧した。
11日の定例記者会見で内堀雅雄知事は「まずは被災状況をしっかり把握し、被災住宅の応急修理や被災した河川や道路、農業施設などの早期復旧に向け、速やかに対応の検討を進めていく」と語った。激甚災害の指定については「要件に該当するか確認を進めていく」とした。
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