「早く友達と会いたい」 浜通り豪雨、宮小児童ら校舎自主清掃

 
床上浸水の被害に遭った宮小校舎で復旧作業を手伝う渡辺さん(左)ら=12日午前、いわき市内郷宮町

 床上60センチほど浸水したいわき市内郷宮町の宮小では、19日の再開を目指して懸命な復旧作業が続いている。校舎内には土砂が残り、教職員を中心に児童と保護者らが土砂をかき出したり、泥の付いた備品を洗ったりして掃除に取り組む。

 「学校がこんなになっているとは思わなかった。一日でも早く友達と会いたい」。6年生の渡辺明仁さん(12)はこう話し、復旧作業に汗を流す。

 渡辺さんは12日、泥をかぶったスリッパやバケツ、保健室の備品を屋外に運び出して水道で洗ったり、被害を免れた図書室の本を2階の教室に運んだりした。

 放送委員会に所属して朝と昼の放送を楽しみにしていたが、1階の放送室も水に漬かった。渡辺さんは「大好きな場所がなくなり寂しい」と言葉を漏らし、学校再開の日を楽しみにしながら作業に取り組んだ。

 ボランティアの協力を得ながら続く復旧作業について、遠藤謙一校長(53)は「学校の片付けに来てくれた多くの人に感謝している。教育活動の再開に向けて全力で取り組む」と話した。併設する宮幼稚園も被災したため当面の間休園する方針で、近くの高坂幼稚園で交流保育を実施する。同じく被災した菊田小は13日に再開する。