郡山総合体育館、35年消防法満たさず使用 市「職員の認識不足」

 
消防法の規定を満たさないまま使用されていた宝来屋郡山総合体育館

 福島県郡山市の宝来屋郡山総合体育館が、消防法の規定を満たさないまま約35年使用されていたことが13日、市への取材で分かった。市によると、1987年の同法施行令の一部改正でエントランスホールや2階ロビー、更衣室にスプリンクラーを設置する義務が生じたが、市が対応を怠っていた。市は原因について「職員の認識が不足していた」としている。

 スプリンクラーは、体育館が完成した1974年1月に大体育館のステージ天井に設置されたのみだった。郡山地方消防本部が立ち入り検査をしていたが、不適合の状況を指摘できていなかった。

 市は昨年9月、開成山地区体育施設整備事業の応募事業者から指摘を受け、消防法に不適合な状態であったことが判明した。同消防本部が他の消火設備と併用すれば体育館の使用を継続できると判断したため、利用を続けている。

 市は改修工事が始まる直前の来年2月末まで利用していく方針だ。同消防本部は現在のスプリンクラーの設置状況について「不適合な状況に違いない」としながらも、改修工事で追加設置が見込まれることから「既存の消火設備の有効活用や、こまめな巡回で安全を担保すれば、使用するのは致し方ない」としている。