リオン・ドールが奨学基金 知床事故犠牲の取締役の遺志受け継ぎ

 
総会で経営計画を解説する小池社長(右)

 リオン・ドールコーポレーション(会津若松市)は、学生向け奨学基金の一般財団法人「小池駿介奨学基金」を設立した。北塩原村で13日に開いた取引業者らで組織するリオン・ドールアソシエイツ会の総会で、同社が明らかにした。

 同基金は、昨年4月に発生した北海道・知床沖の観光船沈没事故で亡くなった同社取締役(当時)の小池駿介さん=享年(28)=の遺志を後世に伝え、若者たちの学びを支援するために設立。駿介さんの遺産、遺族や親族、従業員からの浄財、リオン・ドールコーポレーション基金、同アソシエイツ会の会員企業からの寄付金を設立資金とした。代表理事には同社の小池信介社長が就いた。

 大学、短大、専門学校に進学を希望する会津地方の高校生が対象で、2025年度の入学生から募集を開始する。給付額は一時金100万円(初年度のみ)と年額24万円で、募集人員は毎年10人程度。卒業後の活躍を期待し、返済不要の給付型の奨学金になっている。将来的には対象者の範囲を広げていく予定。詳細は同基金の公式サイトで。

 総会には会員企業約300社から約600人が出席。小池社長がサテライト店(小型店)での成功事例など最新の経営計画について解説した。本年度は売上高750億円、24年度は売上高800億円を目指すとしている。

 グループ会社が磐梯町で進めているウイスキー事業「ウイスキー天鏡蒸留所」は、8月から蒸留設備の設置を始めており、ウイスキー製造免許取得後の12月ごろに蒸留開始を予定しているという。