伊達市、24年1月から「パートナーシップ制度」 福島県で初

 

 伊達市は来年1月4日から、LGBTQなど性的少数者のカップルを公的に証明し、行政サービスなどを受けやすくする「パートナーシップ制度」の運用を始める。カップルの子どもや親などを対象とした「ファミリーシップ制度」も同時に取り入れる。両制度の導入はともに県内で初めて。市は制度を通じて多様性を尊重した社会の実現につなげたい考えだ。

 市が14日、市議会9月会議の一般質問で開始時期を示した。パートナーシップ制度とファミリーシップ制度を先行導入した自治体で利用可能な行政サービスの例は【表】の通り。市はこれらを参考に、証明書の発行や行政サービスの内容などの検討を進めている。

 制度運用の手順では、カップルが互いにパートナー関係にあることを示す宣誓書を市に提出すると、証明書が交付される。

 この証明書に基づき、カップルを婚姻関係と同等と位置付け、さまざまな行政サービスを受けられるようにする。

 市は、市男女共同参画審議会の意見などを踏まえ、具体的な内容を定めた「伊達市パートナーシップ・ファミリーシップ宣誓制度要綱」を年内に策定し、公表する見通しだ。

 パートナーシップ制度などを巡っては、市は本年度から始めた第3次市男女共同参画プランで「多様な価値を尊重する社会の実現」を掲げた。プランに基づく制度となるため、新たに条例を制定するなどの対応を取らなくても運用は可能と判断した。

 県内では富岡町や福島市がパートナーシップ制度の導入を検討している。

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 パートナーシップ・ファミリーシップ制度 パートナーシップ制度は2015年に東京都渋谷区と世田谷区で導入。自治体が同性同士のカップルを婚姻に相当する関係と認めて証明書を発行する。法的拘束力はないが、さまざまな行政サービスや社会的配慮を受けられる。ファミリーシップ制度はパートナーシップ宣誓時に、生計を同一にするパートナーの子どもなどを含む家族関係についても宣誓、証明の対象に加える。