「ふくしま浜街道トレイル」 220キロが一本に...9月30日開通

 
ふくしま浜街道トレイルのいわき市側の起点となる勿来海岸

 うつくしま浜街道観光推進会議が整備を進めてきた新地町からいわき市に至る散策路「ふくしま浜街道トレイル」の沿岸ルート(全長220キロ)が30日、開通する。ルートは2019年に全線開通した総延長1025キロの東北太平洋自然歩道(愛称・みちのく潮風トレイル)と新地町で連結する。青森県八戸市~いわき市までをつなぐ一本のコースができることになり、浜通りの誘客や活性化に大きな効果が期待される。

 浜街道トレイルは新地町の磯山展望緑地を北端、いわき市の勿来海岸を南端に全7コースに分けており、沿岸部の10市町をつなぐ。東京電力福島第1原発事故による帰還困難区域があるJR双葉駅から大野駅までは電車での移動とした。

 事務を担当するNPO法人みちのくトレイルクラブによると、海沿いの自然景観を楽しめるルート設定が特徴になっている。「相馬野馬追」の開催地・雲雀ケ原祭場地(南相馬市)や東日本大震災・原子力災害伝承館(双葉町)などの歴史や文化、震災伝承に関わりの深い場所も組み込んだ。

 県観光物産交流協会が双葉郡など被災12市町村にコース整備を進める「フットパス」とも連結し、沿岸部全体を盛り上げる考え。担当者は「各市町の魅力や復興の様子を見ながら散策を楽しんでほしい」としている。

 開通式典とシンポジウムが30日、相馬市の音屋ホールで開かれる。10月1日には相馬市から南相馬市までの20・7キロのルートを歩く記念イベントを行う。

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