内田いわき市長、災害廃棄物の対応課題 浜通り豪雨から1週間

 
災害廃棄物の仮置き場など被災地を視察し、対応を進めた内田市長

 浜通りに甚大な被害をもたらした記録的豪雨から15日で1週間を迎えた。被害が大きかったいわき市では、災害ごみやボランティアの受け入れなどの対応を迫られた。今後は住宅や商工業、農業の支援に向け、早期の被害実態の把握が求められる。内田広之市長に進めてきた対策や今後の課題を聞いた。

 ―被災後の対策は。
 「真っ先に必要性を感じたのは災害廃棄物の受け入れ、罹災(りさい)証明受け付け、ボランティアセンターの設置だ。被災後3日という短期間で体制ができたのは東日本大震災などと比較しても成果だと思う。特に罹災証明は順調で、被害が大きかった内郷地区に現地支援センターを置いたほか、移動市役所の車両で、車の水没や高齢で移動手段がない被災者を含めて対応できている」

 ―見えてきた課題は。
 「災害廃棄物について6カ所の中間仮置き場をつくったが、それ以外で道路に置いたり、広場などに投棄されたりしている問題がある。泥をかき出さないといけないが、車がないのでごみを持ち出せない事情もある。苦渋の選択だとは思うが対応は必要だ。消防団やボランティアを含めてごみを運ぶ作業を進めていく。ボランティアの数も問題で、これまでの250件以上のニーズに応えるには、1300人規模の人員が必要。しかし実質の数は10分の1程度。被災者は16日からの3連休には片付けたいと思っているので、募集を強めたい。保健師による健康被害調査も進めている。対応は第2段階に入っている」

 ―長期的に考えられる対応は。
 「今月中に白水阿弥陀堂の文化庁の調査に入るが、復旧には数億円が見込まれる。農作物も水稲、トマトなどで被害が出ているので、ハウスや苗などの支援をJAと連携して進める。商工業の被害実態も把握し、経済産業省と共に支援メニューを考えていく。被害の中心となった新川、宮川の2級河川で排水路や河川のかさ上げも加速化しなければならない。県と一緒に国も巻き込んで、線状降水帯の発生を踏まえた対応を考えたい」