福島県剣道連盟名誉会長・梅宮勇治氏が死去、83歳 武道振興尽くす

元県警交通部長で県剣道連盟名誉会長の梅宮勇治(うめみや・ゆうじ)さんが15日午後1時6分、右腎うがんのため福島市の介護施設で死去した。83歳。自宅は福島市岡島字向中島。通夜は19日午後6時、告別式は20日午後3時から福島市黒岩のたまのやこころ斎苑黒岩で。喪主は県北教育事務所次長で長男賢(けん)さん。
梅宮さんは福島市出身、福島商高卒。同校で剣道に出合い、県剣道連盟創始者の小島亀太郎氏の指導を受けた。1958年に県警採用後は機動隊などに所属。94年に県警初となる8段に合格し、退職後に全日本剣道連盟の最高位である範士の称号を受けた。
県剣道連盟会長、県武道協議会長などを務め、数多くの門下生を輩出したほか、県立武道館の建設を県に陳情するなど、県内の武道振興に取り組んできた。
2013年の第20回危険業務従事者叙勲で瑞宝双光章を受章した。
県内で初の剣道範士
剣道の道を究め、県内で初めて最高位の範士まで上り詰めた。その実力と確かな経験を生かして、名剣士を数多く育て上げ、本県の武道振興に最後まで人生をささげた。
「面をかぶれば厳しいが、性格は穏やかで、梅宮さんを慕ってくる人はたくさんいた」。県警時代から付き合いのある県武道協議会長の久保木義明さん(74)=県剣道連盟副会長=は在りし日の姿をしのぶ。
範士となって始めた稽古会「水曜会」には亡くなる1カ月前まで、自ら防具を着けて立ち、直接剣士の指導に当たった。常に30人が詰めかけ、教えを請う姿が絶えることはなかった。
剣士には「薫りある風格を築くこと」を求めた。日々の鍛錬と品格のある剣道を重んじ、水曜会から8段の合格者も輩出した。
県剣道連盟会長を務めた2016年には、一流の剣士が集う全日本東西対抗剣道大会の本県開催を実現させた。久保木さんは「『我が人生に悔いなし』とやり切ったと思う。自分も含め、指導を受けた人が梅宮さんの思いを紡いでいくはずだ」と悼んだ。(佐藤智哉)
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