消防法不適合は44年間、郡山総合体育館 市が法解釈誤る

 

 郡山市の宝来屋郡山総合体育館が消防法上不適合のまま長年使われていた問題で、市と郡山地方消防本部は15日、不適合の期間は44年だったと発表した。当初は35年としていたが、法の解釈を誤っていた。

 同消防本部によると、スプリンクラーの設置義務が生じた時期について、1988年4月の改正消防法施行で適用されると思っていたが、実際は79年4月の改正法施行で適用しなければいけなかった。同消防本部が消防庁に確認し、誤りに気付いた。

 同消防本部は体育館への立ち入り検査の概要も公表した。75年から2010年まで14回行ったが、スプリンクラーが不適合の状態だったことに気付かず、東日本大震災に伴う改修の際の検査でも気付かなかった。

 昨年9月に事業者から指摘を受けて不適合な状態だったことに気付いたが、公表していなかった。市役所で記者会見した小林亨市文化スポーツ部長は「速やかに発表しなかったことを反省している。安全対策に向けた法令順守の施設整備やソフト対策に取り組む」と述べた。同消防本部は再発防止に向け、法令の確認徹底や立ち入り検査の見直しなどを図る。