福島県65歳以上、県民の3人に1人 最高更新、高齢者推計人口

 

 県が18日の「敬老の日」に合わせて公表した県内の65歳以上の高齢者の推計人口(8月1日現在)によると、県人口に占める高齢者の割合(高齢化率)は前年を0.4ポイント上回る33.3%で過去最高となり、県民の3人に1人が65歳以上となる時代に突入した。高齢化率の高まりを受け、県は「健康長寿県」の実現へ「食・運動・社会参加」を柱とした健康づくり施策をさらに進める方針だ。

 高齢者の数は推計で過去最多だった前年同期に比べて382人減少し、57万7738人だった。国勢調査翌年を除き、直近の推計人口の比較で高齢者の数が減るのは初めて。

 県内の高齢化率は1950年以降、右肩上がりで2000年に20%、17年には30%を超えた。生産年齢人口の15~64歳に対する65歳以上の比率(老年人口指数)も上昇が続いている。今年は59.7となり、現役世代1.7人で1人の高齢者を支えている状況だ。

 男女別は、男性が25万4531人(県内男性人口の29.8%)、女性は32万3207人(県内女性人口の36.6%)で、女性が男性の約1.3倍だった。高齢になるほど女性の割合は高くなり、75歳以上で男性の約1.6倍、80歳以上では約1.8倍となっている。

 高齢者の推計人口の減少について、県は第1次ベビーブーム世代が74~76歳と高齢化してきており、この世代以降では出生数が減る傾向にあったことが主な要因と分析している。

 高齢化率が上昇する一方で、県内では介護を受けたり、寝たきりになったりせずに日常生活を送れる期間「健康寿命」も延びている。県が昨年度まとめた「第2次健康ふくしま21計画」の最終評価では、健康寿命の延伸について男性が目標値の71.74歳に対し72.28歳(19年時点)、女性は75.32歳に対し75.37歳(同)だった。県は「各市町村で高齢者を対象にした健康教室を開くなど、介護予防に向けた取り組みが進んでいる。元気な高齢者が増えるよう支援していく」(健康づくり推進課)とした。

 県は20年の国勢調査を基に高齢者の数を推計した。東京電力福島第1原発事故で避難区域が設定された地域では、他市町村への避難に伴い推計人口と実数に隔たりが出る場合がある。

 富岡、大熊、双葉、浪江、飯舘の5町村は、数値にマイナスとなる項目などがあるため高齢者の割合を示した市町村別状況から除外した。