震災・原子力災害伝承館...開館3年 来館右肩上がり、累計22万人

 
原子力災害について深掘りする開催中の企画展

 東日本大震災・原子力災害伝承館(福島県双葉町)は20日、開館から3年を迎える。来館者数は8月末時点で累計22万2872人となり、右肩上がりで来館者数が増えている。

 伝承館によると、来館者数は2020年度(20年9月~21年3月)は4万3750人、21年度は5万8271人、22年度は8万119人と推移。本年度(4~8月)は4万732人で、昨年同期比で22%増となっている。今年5月に新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが5類に移行されたことも追い風となり、教育旅行やインバウンド(訪日客)も好調だ。

 後藤雅文副館長(56)は「ホープツーリズムの浸透により今は右肩上がりでも、将来的には横ばいを維持しなければならない」と課題を挙げた。「伝承館は原子力災害をはじめ現在進行形の災害を扱う。展示を更新しながら『福島の今』が分かる取り組みを進めたい」と語る。

 伝承館は本年度からJヴィレッジとアクアマリンふくしまの浜通り各施設、サッカーのいわきFC、バスケットボールの福島ファイヤーボンズの県内スポーツ団体と連携し、施設利用者や観戦者向けの入館割引事業を始めた。このほか多様なテーマを深掘りする企画展、県外出張展示など誘客の取り組みを行っている。

 24日防災イベント

 同館は開館3年事業として、24日に防災イベント「ふくしま防災・伝承パーク」を館内で開く。

 新聞紙を使った防災グッズ作りや非常食体験など家族で楽しく学べる「防災広場」のほか、本県の観光と産品のPRコーナーも設ける。参加無料。イベント詳細は同館ホームページで確認できる。