いわき・南相馬の豪雨、福島県が独自支援制度創設へ
記録的豪雨により1700棟以上の住宅で浸水被害が確認されているいわき、南相馬両市の被災者を対象に、県は独自の特別給付金制度を創設する方針を固めた。被災者生活再建支援法による支援金支給の対象外となる半壊以下の世帯を救済するための給付金で、被災世帯の迅速な生活再建を後押しする。2019年の東日本台風時に創設した独自の支援金制度を参考に、詳細な検討を進める。
県の19日午前9時現在の被害状況のまとめによると、いわき、南相馬両市の計1290棟で床上浸水、計489棟で床下浸水が確認されている。調査は継続中で、被害はさらに増える見込みだ。
県や各市町村は応援職員をいわき市に派遣しており、住宅の被害認定調査などを進めている。県は被害の全容を早期に把握した上で、具体的な支援策などの枠組みを決める。
大規模な浸水被害によって住宅が全壊や大規模半壊などと認定された世帯には同法により、国から支援金が支給される。ただ、床上浸水でも半壊以下と判断された場合は、住宅を解体しない限り、支援金の支給対象外となっている。
県は東日本台風後、関係機関からの要望を踏まえて同法による支援対象外の世帯に対し、1世帯当たり10万円を支給する支援金制度を独自に創設した経緯がある。この独自制度では、県が市町村に10万円を交付し、各市町村がそれぞれの災害見舞金制度に基づく金額に県から交付された10万円を上乗せして被災者に支給した。
15日には、いわき市の内田広之市長と南相馬市の門馬和夫市長が、東日本台風と同様に県独自支援策の創設を求め、内堀雅雄知事に緊急要望を実施。県議会各会派も被災者の生活再建へ向けた各種支援の実施を県に求めていた。
19日の9月定例県議会で、坂本竜太郎議員(自民、いわき市)の一般質問に答えた内堀知事は「被災者に寄り添いながら、生活再建を加速させなければならない。引き続き被災自治体と連携しながら、被災された方々が一日も早く元の生活を取り戻せるよう支援する」と述べた。