IAEA、いわきで水産物採取 中国の専門家も調査初参加

水揚げされた水産物を確認するIAEA職員ら=いわき市・久之浜漁港
水産庁と国際原子力機関(IAEA)の調査団は19日、いわき市の久之浜漁港を訪れ、本県沖の水産物に含まれる放射性物質濃度を分析するため、試料を採取した。東京電力福島第1原発で発生する処理水の海洋放出が8月に始まって以降では初めて。放出に反発し、日本産水産物の輸入を全面停止している中国の専門家も調査団に初参加した。
水産物に含まれる放射性セシウムとトリチウム、炭素14について、国内外の延べ11カ所の研究機関が測定し、IAEAが分析結果を比較して評価する。
今回は中国の専門家をはじめ、海洋生物環境研究所(千葉県)とIAEAの職員、カナダ、韓国の専門家が参加した。久之浜漁港に水揚げされたヒラメやチダイ、マアジなど6魚種を74キロずつ集めた。同研究所で20日、採取した水産物の食べられる部分をミンチ状に加工し、試料とする。
採取に立ち会った水産庁の担当者は「第三者機関のお墨付きをもらうことで、日本の水産物の安全性をより確かなものにすることができる」と意義を語った。
原発事故後、海洋モニタリング(監視)の信頼性と透明性の向上を目的に、IAEAが2014年度から海水、15年度からは水産物の調査を続けている。
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