富岡の点的・線的な復興拠点、11月下旬に避難指示解除へ

富岡町の山本育男町長は19日、帰還困難区域の小良ケ浜、深谷の両地区に設定した幹線道路や集会所、墓地の点的・線的な特定復興再生拠点区域(復興拠点)について、11月下旬に避難指示を解除する方針を明らかにした。19日開いた町議会の全員協議会で議会の了承を得た。
両地区の点的・線的な復興拠点は【図】の通り。墓地や公共施設を点的な拠点、アクセス道路を線的な拠点に設定し、両拠点とその外縁の約43ヘクタールの除染を進めてきた。しかし、当初予定の5月の除染が完了できず、11月末に期間を延長していた。
環境省によると、除染は一部を除きおおむね完了し、現在は放射線量が比較的高い部分を重点的に除染している。また、土地所有者の意向や相続の問題、道路工事などで除染を実施していない場所もあり、12月以降も線量が低減するまで可能な限り除染を継続していく考えという。
町は除染や道路の復旧が進み、除染検証委の「線量低減を確認した」とする検証結果などを踏まえて解除を決めた。山本町長は「小良ケ浜と深谷の復興再生に向けた次の一歩として解除をすると判断した。両地区の住民の古里への帰還に向けた突破口としていきたい」と語った。
解除後は、居住はできないが道路の通行や墓参などは自由になる。そのため新たにバリケードを設置するほか、3カ所に監視所を設けるなど防犯対策を強化する。今後は両地区のインフラ復旧を巡る協議や、住民の帰還に向けた「特定帰還居住区域」を設定する計画作りを進める。
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