福島県、27年「花博」で復興の姿発信 出展へ向け横浜市と連携

 
山中市長と復興に向けた連携を確認する内堀知事(左)

 県は、2027年に横浜市で開かれる国際園芸博覧会(花博)で、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故から16年を迎えた本県の復興の姿を発信する方向で同市と調整を進める。内堀雅雄知事が20日、横浜市役所で山中竹春市長と会談し、復興に関する出展の実現に向けて連携する方針を確認した。

 花博は、花や緑との関わりなど自然と共生する持続可能な社会の創造などを国際社会に提案する国際的な博覧会で、オランダの国際園芸家協会の認定を受けて開かれる。横浜市で開かれる花博の開催期間は27年3~9月の半年間で、世界各国や国際機関も含め約1500万人の参加が見込まれるという。

 応援職員の派遣など復興支援への謝意を伝えるために横浜市役所を訪れた内堀知事に対し、山中市長は「博覧会を福島の魅力を発信する機会にしてほしい」と参加を提案。内堀知事は「(博覧会で)福島県の園芸をPRすることも大きな意味がある」と応じた。

 内堀知事は神奈川県庁で黒岩祐治知事とも会談し、福島第1原発で発生する処理水の海洋放出を受けた神奈川県独自の風評対策に謝意を伝えた。黒岩知事は放出開始後、県内のスーパーなどで本県の水産物をPRする活動を続けており「県民の間では福島を応援しようという気持ちが盛り上がっている」と継続して支援する考えを示した。

 避難地域の現状紹介 横浜でフォーラム

 内堀知事が本県の魅力や復興に向けて挑戦する姿を発信する「チャレンジふくしまフォーラムin横浜」は20日、横浜市で開かれた。

 市内の企業や団体の関係者らが参加し、内堀知事は本県の未来をテーマに講演。東京電力福島第1原発事故で出された避難指示の解除が進んでいる現状を説明し「県内の空間放射線量は世界の主要都市と変わらない。安心して暮らすことができる」と強調した。