Jリーグ8月開幕案...福島ユナイテッド、降雪への対応が壁

Jリーグが、開幕時期を現行の2月から8月ごろに変更するシーズン移行の検討を加速させている。年内に判断を示す方針で、最短で2026年夏に移行する考えだ。しかし、移行に伴い冬場の試合が増える可能性が高く、影響を不安視する降雪地域にあるクラブの懸念は消えない。福島市などを拠点とするJ3の福島ユナイテッドFC(福島U)も同様で、冬場の練習場やスタジアム確保などが大きな障壁となっている。
「条件付きで(シーズン移行の)理念には賛同する。ただ、降雪地域のクラブにはあまりにもハードルが高いというのが現状だ」。福島Uを運営するAC福島ユナイテッドの鈴木勇人社長は27日、シーズン移行について言及し、理解を示した一方で課題も挙げた。
福島Uは、福島市の十六沼公園を拠点に練習をしているが、屋外のため降雪した場合は別な練習場所を確保しなければならない。また、ホームのとうほう・みんなのスタジアムは吾妻山の麓に位置し、雪の影響を受ける可能性が高い。
実際、今季のホーム開幕戦となった3月19日は、前日に降った雪がピッチに残り、試合当日の朝からサポーターやスタッフが協力して除雪する姿があった。
降雪地域を拠点とするJ1の新潟など一部のクラブは移行に反対の立場を取っており、実現に向けては、練習場やスタジアムの確保に伴う、財源支援なども焦点となってくる。鈴木社長は「2月に福島へサッカーを見に来るのか。環境面の配慮がない限りは非常につらい。Jリーグは強引ではなく、クラブの賛同を得られるような環境を整えてほしい」と望む。
いわきFC「移行必要だが支援を」
J2のいわきFCを運営するいわきスポーツクラブの大倉智社長は移行について「必要の立場。ただし、雪国クラブへの対応など、移行に伴うデメリットは解消する必要がある」とし、降雪地域クラブへの支援の必要性を挙げる。
17年に一度断念
Jリーグが検討するシーズン移行は、8月ごろに開幕し、冬季中断期間を挟んで、5月末ごろに閉幕する案だ。検討している案は▽12月3週ごろまでリーグ戦を行い、2月2週ごろに再開▽12月1週ごろまでリーグ戦を実施し、2月3週ごろに再開―の二つ。
移行に伴うメリットは、運動量が落ちる夏場の試合を減らせることや、欧州リーグのシーズンと一致させることで選手移籍の円滑化などがある。
2017年には、日本サッカー協会から提案を受けたJリーグが開幕の2月から8月への移行を検討したが、経営面でのリスクや降雪地域の環境整備などが課題となって実現しなかった。
今回はアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)の日程が欧州リーグに合わせて変更されたことを踏まえ、議論を再開した。
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