会津、万感2位...「楽譜超えた」壮大な世界観 全日本合唱・高校

 
Bグループで全国2位に当たる香川県知事賞に輝いた会津(写真上)Bグループで金賞に選ばれた郡山(写真下)=28日、高松市・レクザムホール(香川県県民ホール)

 第76回全日本合唱コンクール全国大会中学校・高校部門が28日、高松市のレクザムホール(香川県県民ホール)で開幕した。初日は高校部門が行われ、Bグループ(33人以上)に出場した会津が12大会連続16度目の金賞に選ばれ、全国2位に当たる香川県知事賞に輝いた。同じくBグループの郡山は5大会連続9度目の金賞を受賞した。Aグループ(6人以上32人以下)の安積黎明は銅賞だった。

 全日本合唱連盟などの主催。A、B両グループに全国各地から計30校が出場した。日本一に当たる文部科学大臣賞はAグループが清泉女学院(神奈川)、Bグループが松山女子(埼玉)だった。

 29日は中学校部門が行われ、本県からは混声合唱の部に郡山一、同声合唱の部に郡山七、須賀川二が出場する。

 会津は伸びやかで奥行きのある歌声を響かせ、曲に込められた壮大な世界観をつくり上げた。全員で全国2位の栄誉をつかんだ芳賀慶太部長(17)=3年=は「1位を目指していたので悔しさはあるが、みんなで大舞台に立つことができて幸せだった」と充実感をにじませた。

 自由曲は「透明感ある新たな響き」を求め、作曲家宮本正太郎さんに委嘱して作られた「混声合唱とピアノのための『夢の潟湖(ラグーナ)』」(佐伯圭作詞)を選んだ。

 潟湖の情景を浮かび上がらせる幻想的な出だしから次第に緊張感が重なり、悲痛な叫びでクライマックスを迎える曲。7月の定期演奏会での初演から磨きをかけてきた。終盤の盛り上がりや深みのある音色を意識し、切ない思いを歌に込めた。大竹隆顧問は「練習してきた以上の成果を発揮することができたので大満足」と部員たちをたたえた。

 部員48人のうち、まとめ役の3年生は8人のみ。下級生も積極的に意見を出し合い、練習方法や歌い方を模索し続けた。目指した臨場感あふれる「楽譜を超えた演奏」を大舞台で響かせた。芳賀部長は「後輩の支えがあってここまで来られた。来年は今年以上の演奏をしてほしい」と感謝した。

 郡山「金」のサウンド

 ふくよかで透き通った"郡高サウンド"をホールいっぱいに響かせ、全員で金賞をつかみ取った。「追求してきた『心に伝わる音楽』を届けることができた。出し切ってすっきりしたような不思議な感覚」。上田莉希(りき)部長(17)=3年=はすがすがしい表情を見せた。

 自由曲に選んだのは、「混声合唱のための『やさしさは愛じゃない』から『でも、だめ』『やさしさは愛じゃない』」(谷川俊太郎作詞、三善晃作曲)。『やさしさは愛じゃない』は、男女で異なる恋愛観を歌い上げる難易度の高い一曲で、詩の解釈の議論や男女に分かれて複雑な気持ちをくみ取る練習に時間を費やしてきた。

 舞台ではその場限りの「化学反応」を起こし、繊細かつドラマチックな曲の展開を見事に歌い上げた。

 「曲の出だしからものすごい集中力だった。一つの短編映画を見ていたようで、終わってしまったのがさみしい」。佐藤朋子顧問は、目を潤ませながら教え子の「今までで一番の演奏」に拍手を送った。

 安積黎明、初の混声「銅」

 混声で初の全国大会に臨んだ安積黎明は、自由曲で「混声合唱とピアノのための『地上楽園の午後』から『地上楽園の午後』」(大岡信作詞、鈴木輝昭作曲)を披露した。

 山内彩加部長(17)=3年=は「女声とは違った一体感を味わえた。みんなの声に包まれて幸せだった」と笑顔を見せた。

 星英一顧問は「混声として初出場で、歴史に刻まれる素晴らしい演奏だった。今回を第一歩とし、来年以降も続いてくれれば」と期待を込めた。