郡山陸自性暴力、元隊員3人に2年求刑 弁護側は無罪主張
陸上自衛隊郡山駐屯地(郡山市)に所属していた元自衛官の五ノ井里奈さん(24)に覆いかぶさり下半身を押し付けるなどしたとして、強制わいせつの罪に問われた元隊員の男(30)ら3人=いずれも懲戒免職=の論告求刑公判は30日、福島地裁(三浦隆昭裁判長)で開かれた。検察側は3人にそれぞれ懲役2年を求刑し、結審した。判決公判は12月12日午後1時半から。被告3人は30歳被告のほか、男(29)、男(29)。強制わいせつと認定される行為があったかどうかが争点になっている。
論告で検察側は、3被告が五ノ井さんに覆いかぶさり、腰を振った行為は被告の性的意図の有無や、下半身が接触したかどうかにかかわらず、強制わいせつ罪のわいせつ行為に当たると指摘。行為を「宴会の席を盛り上げるためという自己中心的で、被害者の尊厳を顧みない身勝手な動機。非難の程度は大きい」とした。加えて、複数の男性隊員の前で行われた行為に「性的羞恥心を大きく害するもので卑劣で悪質」と断じた。
最終弁論で弁護側は、五ノ井さんの証言が事件後から変遷しているとして「過大評価しないように留意すべきだ」とし、30歳被告の行為は「強制わいせつ行為に当たらない」、29歳の2被告は「強制わいせつ行為をしていない」と改めて無罪を主張した。
五ノ井さん「正しい判決を」
公判では五ノ井さんが意見陳述し「事件で人生と魂を傷つけられた。夢や希望を持つ人が同じような被害を受けることがないように、厳しく正しい判決を心から願う」と声を震わせた。
五ノ井さんは「被告らには反省を示してくれることを望んでいたが、私がうそをついているとする、心を引き裂くような供述ばかりだった」と振り返り、「被告たちが反省する日は永遠にこない。しかるべき罪を償ってほしい」と訴えた。実名で告発した経緯については「事実がなかったことになると思っての苦渋の決断だった」とし、現在も誹謗(ひぼう)中傷を受けていると明かした。
この日の公判には五ノ井さんを応援する人々が駆け付けた。交流サイト(SNS)上での中傷を受けて亡くなった女子プロレスラーの木村花さん=当時(22)=の母響子さん(46)や、自らの性暴力被害を公表したジャーナリスト伊藤詩織さん(34)らが傍聴した。
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