双葉産業拠点にホテル...25年開業へ 国際会議可能、観光の受け皿

大和ハウスグループの大和ライフネクスト(東京都)は、双葉町の中野地区復興産業拠点に浜通り最大級の会議室を備えたカンファレンスホテルを整備する。町と同社はホテルを活用し国際会議の誘致をはじめ、教育機関や企業など各種団体の研修旅行、インバウンド(訪日客)を含む観光客の受け入れを進め、浜通りの交流人口の拡大と地域経済の活性化を図る。2025年3月までの開業を目指す。
ホテルは東日本大震災・原子力災害伝承館の北、25年度に完成する県復興祈念公園(浪江町、双葉町)の西に隣接する。被災地を巡り、学びながら旅行する県の「ホープツーリズム」を踏まえ、インバウンドや家族向けの宿泊需要の受け皿となり、周辺施設と併せて交流人口の拡大を進める。福島国際研究教育機構(エフレイ)に関係する学術会議やフィールドワークなどでの来訪にも対応する。
ホテルは5階建てで、延べ床面積は約6000平方メートル。会議室は広さ最大400平方メートル超で、最大300人超を収容できる。客室は100室を予定。地元産品を取り扱うレストランやショップ、被災地の学びにつながる書籍を置くライブラリー、スパなども設ける。建築費は数十億円規模で、経済産業省の補助金を活用する。地元雇用は30人以上を見込み、開業後のニーズによっては増築も検討する。
ホテル名は「FUTATABI FUTABA FUKUSHIMA(ふたたびふたばふくしま)」(仮称)。再生、再会、再訪など、双葉にたくさんの「ふたたび」をもたらすホテルになることを願い名付けた。外観は海の波の柔らかさをイメージした。
31日、都内で企業立地協定の締結式が行われ、伊沢史朗町長と竹林桂太朗社長が協定書を取り交わした。竹林社長は「双葉に新しい安心と安全と、豊かな未来を提供したい」と述べた。中野地区は震災の津波で壊滅的被害を受けており「その土地への配慮や尊敬をなくして整備はできない。レジャーだけでなく、静かに思いにはせるような学びと癒やしの場にしたい」と語った。
双葉町は昨年8月に特定復興再生拠点区域(復興拠点)で避難指示が解除され、住民生活が11年ぶりに再開した。町はホテルの開業を、最後発となった復興のさらなる加速につなげたい考えで、伊沢町長は「双葉のありのままの姿、復興に挑戦する姿など、福島の復興を世界に発信できる場所になる」と期待を寄せた。
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