東北電力が過去最高益 中間決算、料金見直しなど要因

 

 東北電力が31日発表した2023年9月中間連結決算は、純損益が1553億円の黒字(前年同期は1363億円の赤字)に回復し、過去最高益となった。経常利益は2191億円の黒字(前年同期は1319億円の赤字)、売上高は1兆3878億円(前年同期比3.6%増)の増収増益で、9月中間連結決算の公表を始めた00年度以降、いずれも過去最高だった。増収増益は4年ぶり。

 電気料金の見直しや、燃料費調整制度で燃料価格の低下を電気料金に反映させるまでのタイムラグ(時間差)の影響が利益を押し上げた。販売電力量は夏季の冷房需要が増加した一方、節電の影響などで小売り、エリア外への卸売りがともに減少したため、全体では374億キロワット時(前年同期比4.8%減)だった。

 中間配当は1株当たり5円で、期末配当は10円を予定している。連結業績予想に変更はない。

 ただ、有利子負債が3兆3794億円あり、自己資本比率は13.5%(前年度比3.0ポイント上昇)だった。

 樋口康二郎社長(国見町出身)は仙台市の本店で記者会見し「利益レベルは過去最高だが、自己資本比率は大幅に低下している」とした上で「自然災害や近年の急激な燃料価格の変動リスクなどを考慮すると、電力の安定供給という点からは依然として厳しい財務状況にある」と述べた。