グリーンアンモニア製造、浪江で実証施設起工式 25年操業開始へ

 
実証施設の完成予想図(日揮HD提供)

 日揮ホールディングス(HD、横浜市)が福島県浪江町の棚塩産業団地に整備するグリーンアンモニア製造実証施設の起工式は31日、現地で行われた。再生可能エネルギー由来の水素を原料とする「グリーンアンモニア」の製造は国内初の取り組みで、来年末の完成、2025年からの操業開始を目指す。

 アンモニアは燃焼時に二酸化炭素(CO2)を出さないため、原料に再エネで作った水素を使用することで、脱炭素のクリーンエネルギーとしての利活用が期待されている。実証施設では、同じ棚塩産業団地内に立地する福島水素エネルギー研究フィールドで生み出された再エネ由来の水素を使用する。

 式には関係者ら約50人が出席。吉田栄光町長や日揮HDの佐藤雅之会長らがくわ入れや玉串をささげるなどして工事の安全を願った。佐藤会長は「エネルギーの安定供給と脱炭素化の両立という社会課題の解決に向けた挑戦となる。浪江町の復興の一助になれば」と決意を語った。

 実証施設は約9千平方メートルの敷地に、アンモニアを合成、貯蔵、出荷する設備などを整備する。設計施工はレイズネクスト(横浜市)が担い、1日当たり4トンの製造能力を目指す。