「クマ被害」一転ひき逃げか...若松の駐車場で88歳女性死亡

 
女性が死亡したひき逃げ事件の現場を調べる捜査員=会津若松市、1日午後4時ごろ

 1日午前6時35分ごろ、会津若松市旭町の駐車場で「頭部から出血し、倒れている人がいる」と近くに住む女性から119番通報があった。倒れていたのは同市旭町の女性(88)で、搬送先の病院で死亡が確認された。会津若松署は死亡ひき逃げ事件として捜査している。同署は当初、女性がクマに襲われた可能性もあるとみて調べを進めたが、体の傷の状態や、現場の痕跡などからひき逃げされた可能性が高いと判断した。

 同署によると、女性は車が数台止められる砂利敷きの月決め駐車場に倒れていた。左頬から頭にかけてすり傷があったほか、体にも傷があった。駐車場と隣接する道路には血痕があったという。

 同署は付近の防犯カメラの映像を解析するなどして、女性をはねて走り去ったとみられる車の特定を急いでいる。近所の女性によると、女性は早朝から駐車場などの草木の手入れを日課のように行っていたという。

 市内でクマの目撃情報が相次いでいたこともあり、同署は当初、顔や頭の傷の状態からクマに襲われた可能性もあるとみて市と連携して広報パトロールなどを行った。しかし通勤通学時間帯にもかかわらず目撃情報はなく、現場を詳しく調べた結果、ひき逃げ事件の可能性が高いとの判断に至った。

 現場はJR会津若松駅から南東に約1.3キロの住宅地。付近には行仁小などがある。近くのマンションに住む70代女性は「車のブレーキ音や悲鳴など大きな音は聞こえなかった。静かな住宅地で、朝は散歩する人も多いので怖い」と話した。

事件現場の地図