「旧伊達郡役所」開庁140年記念で誕生祭 歴史と文化に触れる

 
(写真上)ファンファーレを高らかに響かせる桑折町消防団ラッパ隊(写真下)優雅な音色を奏で、式典に花を添えた大川さん

 福島県桑折町の国指定重要文化財「旧伊達郡役所」の開庁140周年を記念した「旧伊達郡役所・誕生祭 タイムスリップフェスタ2023」が3日、現地で開かれた。訪れた町民や観光客らが建築された明治時代に思いをはせ、歴史と文化に触れた。

 旧伊達郡役所は1883(明治16)年、町民有志の誘致運動で旧保原町から移された。和洋折衷の美しい総2階の建物が特徴で、1977年に国の重要文化財に指定。東日本大震災や2度にわたる本県沖地震で被災し休館、昨年12月に町のシンボルとして復活した。

 文化の日に合わせて行われたセレモニーでは、町消防団ラッパ隊のファンファーレの後、高橋宣博町長が「町の貴重な歴史遺産。大切に保存に努め、町内外から来館者が増えるよう、活用を図りながら周辺整備を進める」とあいさつ。夕方にはライトアップされ、郡役所に優しい光がともった。双葉町出身の琴奏者で「箏男kotomen」こと大川義秋さんも登場し、優雅な音色を奏で式典に花を添えた。

 町こども歴史案内人を務める醸芳小6年の佐藤煌太さん、永塚奏雅さん、斎藤悠羽さんが「郡役所140周年記念宣言」として「町の宝物を未来に向かって引き継いでいく」と誓った。