「相馬野馬追」5月開催決定 24年は25、26、27日の3日間

 
7月30日に繰り広げられた相馬野馬追の最大の呼び物「神旗争奪戦」。野馬追の来年からの日程変更が決まり、関係者からはさまざまな意見が上がった=南相馬市・雲雀ケ原祭場地

 国指定重要無形民俗文化財「相馬野馬追」の開催日程を巡り、関係者や専門家らでつくる保存会と執行委員会は3日、福島県南相馬市で総会をそれぞれ開き、来年から「5月最終土、日、月曜日」に開催することを正式に決めた。これにより、来年は5月25~27日の3日間で開かれることになる。5月開催は記録が残る1874(明治7)年以降初めてで、相双地方の伝統行事が大きな転換期を迎える。

 日程変更は2011年以来13年ぶりで、1978年の国重要無形民俗文化財指定後は2度目。来年は5月25日に出陣式、同26日に神旗争奪戦や甲冑(かっちゅう)競馬などが繰り広げられる本祭り、同27日に野馬懸(かけ)が行われる。保存会と執行委の総会では新日程案について、いずれも全会一致で承認した。

 相馬野馬追はこれまで「7月最終土、日、月曜日」に開催されてきたが、近年の猛暑を受け、涼しい時期への変更が必要だとして、2025年以降の変更に向けて議論が進んでいた。だが今年は熱中症による救護者が相次ぎ、馬2頭が死んだことから、検討会の会合で日程変更の前倒しを決定。文化庁も了承し、有識者らでつくる保存専門委員会が日程変更に伴う支障がないかなどの確認を進めていた。