津島「肉まつり」13年ぶり復活、浪江 地区恒例、旧交を温め舌鼓

 
津島地区のイベント会場を訪れ、焼き肉を楽しむ家族連れ=5日午前、浪江町

 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故で休止していた浪江町津島地区の毎秋の恒例行事「肉まつり」は5日、同地区のつしま活性化センターで13年ぶりに復活した。参加者はバーベキューを通じて旧交を温め、久々の再会を喜んだ。

 3月末に津島地区の特定復興再生拠点区域(復興拠点)で避難指示が解除されたことを受け、津島のにぎわい創出につなげようと、町と津島地区の行政区長らでつくる実行委が準備を進めてきた。実行委によると、肉まつりは震災の20年以上前から開催しており、避難先での開催も試みたが、会場確保の面などから実現できなかったという。

 「懐かしいね」「元気だった」。会場には津島地区にゆかりのある人たちが集まり、会話を弾ませた。参加者は事前に申し込んだチケットと引き換えに焼き肉セットを受け取り、バーベキューを楽しんだ。特設ステージでは南津島の田植踊りなどが披露されたほか、津島の民俗芸能やかつての暮らしを伝える写真展も開催された。

 4月から津島住宅団地で暮らす国分晶子さん(72)は「皆が笑顔で集まれる場ができてうれしい。にぎやかだった津島に戻ってほしい」と話した。