社会福祉に功績「瓜生岩子賞」 佐久間啓、大場盛子両氏を表彰へ

 
(写真左から)佐久間啓さん、大場盛子さん

 福島県社会福祉協議会は6日付で、社会福祉に功績のあった県民を顕彰する第31回瓜生岩子賞の受賞者にあさかホスピタルグループ理事長の佐久間啓さん(67)=郡山市=と民生・児童委員の大場盛子さん(83)=南相馬市=を選んだと発表した。17日に福島市で開かれる県社会福祉大会で表彰する。

 佐久間さんはグループの理事長として、子どもから高齢者まで障害の有無にかかわらず、全ての世代や地域の心のケア拠点として医療、保健、福祉を提供し、地域共生社会の実現に貢献してきた。アートで人と人のつながりをつくる「はじまりの美術館」(猪苗代町)などの設立にも携わった。

 大場さんは1992年に民生・児童委員に就いて以来、30年以上にわたり生活困窮者や高齢者の相談に当たり、地域福祉の向上に寄与。南相馬市遺族会長や市生涯学習推進委員長、相馬地区社会教育委員連絡協議会長を務め、5月から県婦人団体連合会長に就くなど活動の幅を広げている。

 同賞は、社会福祉事業の先覚者で「日本のナイチンゲール」と呼ばれる小田付村(現喜多方市)出身の瓜生岩子の遺徳をしのび、偉業を後世に伝えるため、岩子が開設した鳳鳴会育児部(現福島愛育園)の100周年を記念して創設された。

■地域共生社会へ枠超え活動

 佐久間啓さんの話 大変光栄。父が受賞した賞を親子2代でいただけたことも感慨深い。グループとして、障害のある人もない人も分け隔てなく、誰もが幸せに生きる社会を目指してきた。共生社会をどういう形で実現できるか、さまざまなことを医療、介護、福祉の枠から一歩踏み出してやってきた。職員が理解し、積極的に協力してくれた。社会の変化もある中、自分たちの活動が地域の方々に理解を得られたと思う。障害やLGBTなど多様性を認めることができるような「心のバリアフリー」を社会の中で実現していきたい。

■困窮者、高齢者見守り30年超

 大場盛子さんの話 民生・児童委員として、高齢者の健康確認や夜の防犯見回りを30年以上続けてきた。地区の福祉委員も務め、文化祭や夏祭りの準備をしている。遺族会や婦人会の活動もあり、周囲から「大変だね」と言われることもあるが、任せられたからには、やるのが当たり前。大変だと思ったことは一度もない。むしろ研修や雑談の中で勉強になることが多く、やりがいを感じている。受賞にはびっくりした。地域の人たちや仲間のみんなに育ててもらって感謝申し上げる。今後も体が続く限り元気に活動していきたい。