道路や墓地...30日に規制解除 富岡・復興拠点、国や県など合意

 

 東京電力福島第1原発事故に伴う富岡町の帰還困難区域の小良ケ浜、深谷の両地区に設定した幹線道路や集会所、墓地の点的・線的な特定復興再生拠点区域(復興拠点)について、今月30日午前9時に避難指示が解除される。国と県、町が6日、町内で協議して合意した。解除後、居住はできないが、道路の通行や墓参などは自由になる。

 墓地や公共施設を点的な拠点、アクセス道路の約7.2キロを線的な拠点に設定し、その外縁を含めて除染を進めてきた。当初は5月に除染を完了させる予定だったが、除染を終えることができず11月末に延長していた。除染はおおむね完了したが、放射線量が比較的高い部分もあり、12月以降も続ける。

 山本育男町長は記者会見で「今回の避難指示解除で人の流れができ、小良ケ浜、深谷両地区の復興再生の突破口になる。帰還を希望する住民の願いが一日でも早く実現できるよう力を注ぐ」と強調した。

 町は幹線道路沿いなどに新たにバリケードを設置するほか、監視所を設けるなど防犯対策を強化する。また、両地区の住民の帰還に向け、面的な除染を実施するために「特定帰還居住区域」を設定する計画づくりを進めており、年度内に政府に提出する方針。