浪江町「全14行政区対象」 拠点外居住、年内に再生計画策定へ

 

 浪江町の吉田栄光町長は6日、東京電力福島第1原発事故による帰還困難区域のうち、特定復興再生拠点区域(復興拠点)から外れた地域に設ける「特定帰還居住区域」を巡り、対象の14行政区の全てに区域を設け、年内に区域の復興再生計画の策定を目指す方針を明らかにした。計画に含まれた地域では来年度から除染が始まる見通しだ。

 吉田町長は取材に「全ての町民の帰還意向を計画に反映させたい」と述べた。浪江町は東日本大震災から12年が過ぎた今も町域の8割が帰還困難区域となっている。復興拠点から外れているのは井手、大堀、室原、小丸、畑川、酒井、下津島、南津島下、大昼、赤宇木、手七郎、羽附、南津島上、津島の計14行政区に上る。

 特定帰還居住区域の計画策定に向け、町は5、6、8、11日の4日間、浪江町と二本松市で住民説明会を開いている。5、6の両日は計約120人の町民が来場した。

 町は8月までに、復興拠点から外れた地域の帰還意向調査を実施した。対象の757世帯のうち「帰還希望あり」と答えたのは3割に当たる231世帯だった。判断を「保留」しているのは82世帯だった。