「サケやな漁」始まる 相馬・宇多川、稚魚放流へ採卵用に活用

 
やな場で捕獲されたサケ=6日、相馬市岩子

 相馬市岩子の宇多川下流で6日、サケのやな漁が始まった。漁を手がける宇多川鮭増殖組合は、今年も不漁が見込まれることから、3年連続で販売を見送り、捕獲したサケを来春の稚魚放流に向けた採卵用として活用する。

 漁は12月20日ごろまで行われる見通し。

 この日は、組合員3人が、やなに追い込まれたサケを網で川岸へとすくい上げた。捕獲した雄10匹、雌5匹は水槽に移され、同市山上のふ化場に運ばれた。今後、採卵作業が行われる。組合の採捕責任者、稲村正夫さん(80)は「この調子で漁が進めば、昨年より捕獲量は多くなりそうだ」と話した。

 宇多川下流では、2018年までの過去5年間は年平均約2万匹を捕獲していたが、やな場が流された19年10月の大雨の後、不漁が続く。昨年の捕獲数は181匹だった。