松明あかし、燃える応援 あす須賀川で4年ぶり通常開催

 
松明行列の練習に取り組む須賀川一中の生徒たち

 須賀川市伝統の火祭り「松明(たいまつ)あかし」が11日、同市の翠ケ丘公園五老山をメイン会場に、4年ぶりに通常開催される。今年は新型コロナウイルスの影響で中止となっていた行事を復活する。中学生らが松明を担いで市内を練り歩く松明行列や、各学校による応援合戦が再開され、五老山に勇ましい声が戻りそうだ。松明の本数はコロナ禍前と同等の22本となる予定。

 松明行列に全校生徒約240人が参加する須賀川一中では本番を前に生徒たちが声を張りながら練習に取り組んでいる。応援団長の二瓶颯太さん(14)は「松明あかしが盛り上がるよう活気づけたい」と力を込める。

 同校生徒は地域住民の力を借りながら松明を作り上げ、松明行列を練習したり、応援合戦の歌詞を一から考えたりして準備を進めている。二瓶さんは「経験がなく手探りだったが、松明あかしに参加できなかった先輩の分も楽しみたい」と本番を見据える。

 通常開催することに安堵(あんど)する人は多い。毎年、メインの本松明を製作している「松明をもりたてる会」で会長を務める佐藤貴紀さん(49)は「仲間たちが徐々に戻ってくれることがうれしい」と語る。

 コロナ禍以降は、恒例の応援合戦や太鼓の音はなく、松明の燃える音だけが響いた。「こんなに静かなのかと思った」と佐藤さん。伝統行事が当たり前ではないと気付かされたという。佐藤さんは「伝統をつなぐことは簡単ではない。人がいてこそ受け継がれるのだと学んだ」と話し、五老山での盛り上がりを心待ちにしている。

 きょう慰霊会

 開催前日の10日は午後6時から、岩瀬八幡神社で前夜祭の慰霊会が開かれる。11日午後2時から松明行列が始まり、本松明への点火は同日午後6時半となる予定。問い合わせは実行委員会事務局の市観光交流課(電話0248・88・9144)へ。