庭先にクマ3頭、下郷 子グマは木の上に6時間...麻酔銃で捕獲

 
麻酔銃で眠らせた子グマを捕獲する関係者=15日午後0時30分ごろ、下郷町中妻

 15日午前6時ごろ、下郷町中妻字竹原の男性から「庭先でクマ3頭を目撃した。1頭はまだ木の上にいる」と110番通報があった。南会津署によると、クマ1頭が民家庭先の木の上に約6時間にわたってとどまり、正午過ぎに麻酔銃で眠らされ捕獲された。その後、近隣の山の鳥獣保護区へ放された。

 同署によると、就寝中だった男性が飼い犬の鳴き声で目覚めて外を見ると、イヌとクマ3頭が向き合っていた。男性が大声を出したところ、親のクマとみられる体長約1・5メートルの1頭と、子グマとみられる体長約50センチの2頭のうち1頭は逃げ、もう1頭の子グマのみ高さ約10メートルの木に登って現場にとどまった。

 町や県の担当者、町有害鳥獣捕獲隊のメンバーらが現場に集まり、花火を使うなどしたが状況が変わらなかったため、麻酔銃で眠らせることにした。

 現場は町役場から東に約1・5キロの集落に位置する。親のクマが戻ってくる可能性があったため、周辺住民には屋内退避が呼びかけられ、周辺に親がいないかどうか小型無人機「ドローン」による調査も行われた。近所の男性は「山にエサが少ないから、人里まで来てしまったんだろう」と話した。

231116news701-2.jpg