週60時間超の長時間労働、初の5%以下 福島県内、働き方改革浸透

 

 労働時間が長時間労働の目安とされる週60時間を超える雇用者の割合が、県内で初めて5%を下回ったことが総務省の調査で分かった。2019年から段階的に導入されている時間外労働の上限規制などを踏まえ、企業などを中心に社員の働き方改革が浸透したことが理由とみられる。一方で企業の人手不足などは深刻化しており、今後も働き方改革が順調に進むかは不透明な状況だ。

 前回調査から4.2ポイント改善

 福島市で15日に開かれた県魅力ある職場づくり推進協議会で福島労働局が示した。国勢調査を基に抽出、推計する形で5年ごとに行われている総務省の就業構造基本調査によると、22年に県内で週の労働時間が60時間を超えた雇用者の割合は4・8%で、17年の前回調査の9・0%から4・2ポイント改善した。国や県、県内経済団体などでつくる同協議会は割合を25年までに5%以下とする目標を掲げており、これが達成された形だ。

 労働局などによると、時間外労働の上限規制や長時間労働の社会問題化を受け、県内の企業などで働き方を効率化するなどの動きが進んだ。さらに新型コロナウイルスの感染拡大によって、サービス業などを中心に労働時間が減ったことやテレワークが広がったことなども労働時間の削減に影響を与えたとみられるという。

 働き手の不足が深刻化

 一方で新型コロナによる行動制限が緩和されて以降、県内では働き手の不足が深刻化しており、長時間労働解消など働き方改革への影響が懸念されている。県内の有効求人倍率は9月まで24カ月連続で1・3倍を超えて高止まりが続いており、一部には物価高騰の影響などから人員不足を感じていても求人を控える動きも出ている。また社会問題化している教員の長時間労働など、業種間の格差も鮮明となっている。

 長時間労働の解消を巡っては、24年4月から規制対象外だった建設業やトラック運転手にも時間外労働の上限が導入される。労働局や県は、事業者への情報発信や働きかけなどを通じて長時間労働解消に向けた取り組みを引き続き進めたい考えで、併せてトラック運転手不足が懸念される物流の「2024年問題」など人手不足への対応にも取り組む方針。

労働局の担当者は「(5%を下回ったことは)企業などに働き方改革が浸透してきたといえる。ただ今後も改善が続くかは不透明な部分があり、企業に対する支援などを続けていきたい」としている。