ギャンブル依存克服...患者ら支援 福島県、初の対策指針策定へ

 

 県は本年度、ギャンブル依存症の克服や予防に向けた初めての指針「県ギャンブル等依存症対策推進計画」(2024~26年度)を策定する。県内にはギャンブル依存が疑われる人が約3万3000人いると推計される中、県は計画を通して患者やその家族への適切な支援実施につなげたい考え。

 福島市で16日に開いた県自殺対策推進協議会ギャンブル等依存症対策推進部会で、県が計画の骨子案を示した。骨子案には、若年層へに対する予防教育や普及啓発の実施や、相談や治療、回復のための支援体制の充実の必要性などを盛り込んだ。

 計画ではこのほか、依存症に関する相談や医療提供体制を強化し、悩みを抱える人やその家族が円滑な日常生活、社会生活を営むための支援策を示す方針。依存と借金の問題をワンストップで相談できるような対応についても検討する。また計画見直しの際にはアンケートを行い、対策が進んでいるかなどを把握するとしている。

 県によると、県内のギャンブル依存症患者は18年度が56人、19年度が93人、20年度が68人。

 相談拠点である県精神保健福祉センターへの来所での延べ相談人数は20年度が33人、21年度が68人、22年度が71人と増加が続いている。だが、県内でギャンブル依存症を専門とする医療機関は1カ所しかない状況で、対策が急務となっている。