児童生徒の心身健康「5段階で自己評価」 11月から郡山市教委

 

 郡山市教委は今月から、市内の小中学校各1校で児童生徒に自分の心身の健康状態を5段階で評価してもらう独自の取り組みを始めた。健康状態を可視化して継続的に把握することで、早期に不安や悩みを把握し、不登校対策などに役立てる。

 来年3月まで試行してシステムや運用方法の課題を洗い出した上で、来年度から全校で実施する方針。市役所で16日に開いた総合教育会議で、市教委が示した。

 評価システムは、子どもたちが毎朝タブレット端末から専用アプリを開き、「今日のあなたの心や体の調子はどうですか」との質問に対して、大変良い(星五つ)、良い(星四つ)、普通(星三つ)、あまり良くない(星二つ)、良くない(星一つ)を選択する仕組み。

 市教委によると、毎日データが蓄積されるため、児童や生徒がいつ頃から元気がないかなど、行動の変化や不登校の兆候の把握が可能という。

 システムは市教育研修センターの職員がアプリ内のアンケート機能をベースに作成した。

 市教委によると、市立小中学校の不登校の児童生徒数は9月末時点で計584人。すでに昨年12月時点と同程度で、増加傾向にある。

 不登校数は、令和に入ってから急激に増加しており、市教委は新型コロナウイルス禍で生活リズムが乱れたり、交友関係が築けなかったりしたことなどで、登校の意欲が湧きにくくなったことが要因としている。