庭先にも出没「クマに注意」 福島県内5カ所、街頭で啓発活動

 
クマへの警戒を呼びかけるチラシを配った署員=福島市

 県内でクマの目撃が相次いでいることを受け、県は16日、福島市や南会津町など県内5カ所で注意喚起を促す街頭活動を展開した。福島市のJAふくしま未来の直売所「ここら吾妻店」では、県や福島署の担当者約10人が声をかけながらクマの特徴や注意点などが書かれたチラシを配った。

 街頭活動に参加した溝口俊夫県野生動物調査専門官はクマの目撃が増えた理由について、「エサとなるドングリの不作が影響している」と指摘。昨年は例年並み以上のドングリがあったためクマの出産が増えたが、今年は一転して不作となったため親子連れのクマなどがエサを求めて人里へ下りてきているという。

 県などによると、県内の本年度のクマの目撃件数は11月15日時点で620件。昨年度1年間の385件を大きく上回り、過去最多だった2020年度の603件を既に上回っている。人身被害は軽傷13人。

 県は30日まで、県内各地のクマが頻繁に目撃されている地点でパトロールを強化する。吾妻正明県自然保護課長は「クマがエサを求めて庭先にも出没している。カキの実を収穫しておくなど、クマを寄せ付けない対策を行ってほしい」と呼びかけている。