会津坂下町と両親の和解成立 いじめ、町が配慮欠く状態認める

 

 会津坂下町の当時中学1年だった男子生徒が校内でいじめに遭い不登校になったのは学校が適切な対応を取らなかったためとして、両親が町に330万円の損害賠償を求めた訴訟は17日、福島地裁(小川理佳裁判長)で和解が成立した。男子生徒の父親(59)は和解を受け県庁で記者会見し、「教育現場は当事者の声を丁寧に聞き、いじめの被害者を守る対策をしてほしい」と訴えた。

 訴状などによると2014年5月、男子生徒は筆箱を隠されるいじめを受けた。学校側は関係した生徒を特定できず、学年全体に昼休みを含めた全ての休み時間中、トイレ以外に教室からの外出を禁じる「禁足措置」を取った。この対応に不満を募らせた生徒たちがこの男子生徒に暴言や暴行をするようになり、同年6月に不登校になったとしている。

 父親によると、福島地裁から和解案が提示され、「禁足措置」をした結果、男子生徒への配慮を欠いた状態になったことを町が認める内容だったため、和解に応じたという。和解条項は、▽禁足措置によっていじめが誘発され、不登校となったことを謝罪する▽今後、禁足措置を行わないことを約束する―など。和解金は発生していない。

 会津坂下町は17日、ホームページ上で「和解条項を踏まえ、しっかりといじめ対策に取り組んでいく」とコメントを発表した。