東京電力「元請け作業確認」 福島第1原発、薬液事故で報告書

 

 東京電力福島第1原発の増設多核種除去設備(ALPS)で作業員が放射性物質を含む薬液を浴びた事故で、東電福島第1廃炉推進カンパニーの小野明最高責任者は17日、県庁で開かれた県廃炉安全監視協議会で「元請けの東芝とは(事故前から)何十年も付き合ってきたが、その信頼が崩れた」との認識を示した。

 東電はALPSの配管洗浄で予定にない弁操作や、身体汚染を防ぐ雨がっぱの未着用などが重なり、事故が発生したとする報告書をまとめた。再発防止策として設備の再構築に加え、東芝が請け負う作業の現場確認を行う方針で、小野氏は「元請けの取り組みを確認することで作業員の安全を担保していく」と語った。

 同協議会の労働者安全衛生対策部会は10月末、事故の原因究明や再発防止策の提示を申し入れていた。情報公開で正確性に欠いた点も指摘しており、東電は「初期の限定的な情報であることを明確に伝えられず、広報の思い込みによる誤認識があった」とした。