福島県「移住相談」最多1万7267件 22年度27%増、全国3位

 

 県は17日、2022年度に専用窓口などで受け付けた移住相談件数が過去最多の1万7267件に上ったと発表した。全国順位は3年連続の3位だが、前年度から27%の高い伸び率を記録し、トップの長野県(1万8184件)に肉薄した。県が首都圏などで移住希望者向けのイベントの回数を増やし、各市町村も積極的に移住施策を展開した結果が表れた。

 総務省が全国の状況を集計し、同日公表した。22年度は長野、兵庫の両県に次いで多かった。

 窓口別の内訳は、県1万2335件(前年度比15%増)、市町村4932件(同72%増)。県は22年度に市町村訪問を始めており、意見交換などを通じて移住政策への意識が全県的に高まったとみられる。

 相談の受付場所は専用窓口1万5140件(同26%増)、イベント会場2127件(同37%増)だった。県は常設相談窓口を全国最多の12カ所設けているほか、21年7月には「ふくしま12市町村移住支援センター」が開所。首都圏を中心に避難地域12市町村の特色などを発信したり、各市町村担当者らが参加するセミナーを開催したりするなど、多様な主体による働きかけも実を結んでいる。

 新型コロナウイルス禍を機に、地方移住への関心は各地で高まった。今年に入って行動制限が大幅に緩和され、首都圏志向に回帰するとの見方も出ているが、県によると、東京・有楽町の窓口への相談件数は本年度も増加傾向にある。コロナ禍前に中心だった50~60代からの相談が盛り返し、若年層の関心も高い状態が続いているという。

 移住相談は仕事に関する内容が多く、希望に見合う幅広い分野の雇用創出が課題になる。県ふくしまぐらし推進課の担当者は「今後も全庁的な対応や市町村との連携を強化する。まだ伸びしろはあり、丁寧な情報発信と相談対応に努めたい」と語った。