クマにかまれ70歳女性がけが 喜多方の市道、土手から飛び出す

 

 19日午前6時55分ごろ、喜多方市熊倉町雄国字獅子沢丁の市道で、付近に住む男性から「妻がクマにかまれた」と喜多方署に通報があった。同署によると、同市の女性(70)が左胸付近や左太ももをかまれ軽傷を負った。

 同署や女性によると同日午前6時45分ごろ、女性が地域の一斉清掃のため自宅を出て集合場所に向かって1人で市道を歩いていると、付近の土手から体長約1メートルのクマ1頭が飛び出してきた。女性があおむけに倒れたところにクマが覆いかぶさり、左太ももと胸付近にかみついたという。クマは南方向に立ち去った。

 女性は自力で自宅に戻り、夫が運転する車で会津若松市の病院に行き、治療を受けた。厚手の防寒着を着ていたため、胸付近と左太ももにそれぞれ2カ所ずつ牙のような形の傷を負う軽傷で済んだという。

 「一瞬だった」

 現場は田畑や住宅が点在する地域。女性は「一瞬の出来事で声を上げることしかできず、抵抗もできなかった」と振り返り、「軽傷で済んだのが不幸中の幸い。今後はクマ対策のグッズを持って歩くようにしたい」と話した。クマは大きくなく、子グマのように感じたという。

 女性の被害を受け、市は現場付近の住民に追い払い用の花火を配布したほか、防災無線などで外出時の注意を呼びかけた。