災害時返却条件...車を貸し出し 契約期間1年、個人や法人問わず

 
災害時返却カーリースの利用を促す吉沢さん

 県と災害時の応援協定を結ぶ日本カーシェアリング協会(宮城県石巻市)は20日、災害が発生し、協会から要請があった場合に車を返却してもらう「災害時返却カーリース」を始めた。

 協会は9月の記録的豪雨で被害が大きかったいわき市に臨時拠点を構え、車が浸水するなどした人に車を無償で貸し出してきた。利用を終えて返却する人がいる中、新たな災害で需要が生じるまで車を使い続けてもらうことにより、駐車スペースの確保や維持管理費の軽減を図ろうと、災害時返却リースを取り入れた。

 対象は個人、法人を問わず、災害時に車を返却できれば誰でも利用できる。契約期間は1年。料金は車検代や自動車税などを含めて月額で軽自動車1万1000円、乗用車(小型)1万6500円。協会が要請した場合、10日以内に車を返却することが条件で、返却により解約となる。返却された車は被災地で利用される。

 代表理事の吉沢武彦さん(45)は「被災者が車を使えないと生活再建の遅れにつながる。一般のカーリースと比べて短期間で低価格なので、今後の災害に生かすためにも多くの方に借りていただきたい」と話した。

 臨時拠点の住所は、いわき市平上荒川字砂屋戸12の2。申し込み、問い合わせは日本カーシェアリング協会(電話0225・22・1453、平日午前9時~午後6時)へ。協会のホームページでも受け付ける。