新嘗祭にシイタケ献上 田村・滝根の箭内さん栽培

 
新嘗祭にシイタケを献上する箭内さん

 福島県田村市滝根町の農業箭内幸一さん(73)が栽培したシイタケが、東京の明治神宮で23日に開かれる新嘗祭(にいなめさい)に献上される。箭内さんは「奉納できることをうれしく思う」と喜びを語った。

 新嘗祭は宮中の恒例行事で、全国の品評会で農林水産大臣賞などを受賞した生産者の農産物が集まり、五穀豊穣(ほうじょう)を願う。同市で原木シイタケを生産する箭内さんは1989年に農林水産大臣賞を受賞し、翌年の新嘗祭に初めてシイタケを献上した。その後も複数回にわたり農林水産大臣賞を受賞しており、今年も新嘗祭への献上依頼があったという。

 原発事故の影響で地元の原木を使うことができず、現在は岩手県などから取り寄せた原木でシイタケ栽培を続けている。箭内さんは「放射性物質がキノコに移行しないようにする研究が進んでいる。地元の原木を使える日が早く来てほしい」と話した。