西郷、矢祭3月までに先行 盛り土規制法、福島県が区域指定方針

 

 危険な盛り土を規制する「盛り土規制法」に基づく規制区域の指定を巡り、県は3月末までに西郷村と矢祭町で先行して区域指定を行う方針を固めた。福島、郡山、いわきの3中核市や、ほかの54市町村についても、9月末までに指定が行われる見通し。先行する2町村では関東圏から大量の土砂が持ち込まれていることが確認され、崩落による住家被害などの危険性が高まっていると判断、来年5月までの指定期限から大幅な前倒しを図る。

 15日の定例記者会見で内堀雅雄知事が明らかにした。県は現在、県内全域で地形や地質に関する調査を進めている。西郷村と矢祭町については今月中にも規制区域の案を提示し、2町村からの意見を踏まえて最終的な区域を決める。県が区域を一括で指定する54市町村のほか、独自に指定を行う3中核市も県の調査結果を踏まえて、9月末を目標に区域を指定する考えだ。

 静岡県熱海市の土石流災害を踏まえて制定された盛り土規制法では、住家などに被害を及ぼす区域を指定した上で、一定規模以上の盛り土などを許可制とする。指定前に造成された盛り土についても、さかのぼって改善命令を出すことが可能だ。規制区域内で盛り土などを行う場合、排水施設や擁壁を設置するなど安全基準に適合させる必要がある。違反した場合、最大で1000万円以下の罰金や、3年以下の懲役、法人の場合は最大3億円の罰金が科される。

 県内に土砂が持ち込まれている問題を受け、県は「土砂埋め立て等の規制に関する条例(仮称)」の策定を進めており、早ければ2月定例県議会での成立を目指している。条例により一定規模以上の盛り土は許可制となるが、盛り土規制法の許可を受けた場合、条例による許可手続きは不要とする方向で調整を進めているという。

 内堀知事は会見で「県民の安全・安心を確保するため、危険な盛り土などによる災害の防止に必要な対策を速やかに進めていく」と述べた。