短周期、建物被害大きく 東北大災害科学国際研究所・栗山所長

 
くりやま・しんいち 大阪府柏原市出身。2012年に東北大災害科学国際研究所災害公衆衛生学分野教授に就任、23年4月から現職

 能登半島地震はいまだ被害の全容把握はできておらず、被災者は避難の長期化を強いられている。発災直後に現地調査した東北大災害科学国際研究所の栗山進一所長(61)に地震の特徴や必要な支援を聞いた。

 ―能登半島地震の特徴や東日本大震災との違いは。
 「能登半島地震は東日本大震災のようにゆっくりと揺れる海溝型地震と異なり、小刻みに短い周期で揺れる地震だったため、建物に大きな被害が出た。地震の質は阪神大震災や熊本地震と似ている。陸地に近い海底活断層が関連している可能性が高く、津波の到達も早まった」

 ―避難の長期化で災害関連死の危険性が高まっている。必要な対策は何か。
 「能登半島は高齢者が多く、現段階で災害関連死の発生ペースは東日本大震災時より多い。道路の損傷が大きく物資が届けられないのも要因だろう。災害時に高齢者や障害者といった災害弱者は周囲に気を遣い、声を上げなくなってしまう。災害弱者に基準を合わせた対応ができれば関連死は減らせるだろう。どんな避難者がいるかを把握するのも大切だ」

 ―被災地や被災者のためにできる支援は何か。
 「個人で物を送ったり、公的な受け入れを通さず現地に行ったりすることは慎重になってほしい。本当に必要な物資や助けを求める場所にたどり着けない可能性がある。SNSで流れてくる情報をむやみに拡散しないことも大切だが、SNSを通じて被災者に励ましの言葉を送るのは効果がある。寄付金も有効だ」