被害女性「当然の結果」 郡山爆発・不起訴不当、責任明確化期待

 
ガス爆発のあった現場。断熱材の破片が散乱し建物の鉄骨だけ残っていた=2020年7月30日、郡山市島

 社会に大きな衝撃を与えた事故の刑事処分に対し、福島検察審査会が議決した「不起訴不当」。事故で重傷を負い、審査を申し立てた女性(50)は福島民友新聞社の取材に「ひとまずはほっとしたが、当然の結果という気持ちのほうが強い」と語り、再捜査で検察側が起訴して責任の所在が明らかになることを期待した。

 女性は事故当日、立ち寄った銀行のATMコーナーで爆風に吹き飛ばされた。顔の右側は引き裂かれ、顔の骨も粉々に折れた。厳しい治療が続く中、昨年3月に検察側から不起訴処分を伝えられた。「全く落ち度がないのに、どうして不起訴になってしまうのか分からず、ぼうぜんとした」と振り返る。

 「こんなに理不尽なことが起こっていいはずがない。被害者の気持ちになってしっかり考えてほしい」との思いで昨年4月、福島検察審査会に審査を申し立てた。「事故の記憶が消えることはなく、不起訴なんておかしいという気持ちが日に日に積もっていた」。予期せぬ不起訴処分の結果が心に重くのしかかり、検察審査会の判断を待つ間も苦痛だった。

 申し立てから9カ月余り、やっと届いた「不起訴不当」の判断。検察審査会はくじで選ばれた市民で構成されることから「一般市民もこれだけの被害をもたらした事故の重大性を重く受け止めてくれているのだと感じた。正当な判断をしてもらえて感謝している」と語る。

 一方で、検察が再捜査で再び不起訴とすれば、再度の審査申し立てはできないため、刑事責任を問うことはできない。「事故が起きてから人生が変わってしまい、不自由な思いをしながらも一日一日必死に生きてきた。これからの人生を前向きに歩んでいくためにも、検察には事故の重大性を再認識してもらい、正しい判断をお願いしたい」。事故当時のまま時が止まっている女性は、再び時計の針が動くことを願っている。