福島医大、新病棟の建設検討へ 築30年経て新たな機能追加も

 

 福島県は新年度、老朽化した福島医大病院の新病棟建設の検討に着手する方針を固めた。医大病院は県内で唯一、高度医療を提供する特定機能病院の指定を受けるなど本県医療の中核を担っている。より機能を高めた新病棟の建設により病院自体の機能強化を図り、県内の医療体制のさらなる充実につなげたい考えだ。

 医大病院は1987年に福島市光が丘の現在地に移転、開業した。病床数は778床で、各種感染症や結核などにも対応。新型コロナウイルス感染症への対応でも県内医療の中心的役割を担ってきた。2015年には「高度被ばく医療支援センター」と「原子力災害医療・総合支援センター」に指定されるなど、時代とともに幅広い機能が求められてきた。

 一方で建設から30年以上が経過し病棟の老朽化が懸念材料となってきており、新年度から新たな病棟に必要な機能などの検討に入りたい考えだ。県は新年度一般会計当初予算案に新病棟建設の検討に必要な経費を含め、福島医大の運営費交付金として約150億円を計上する見込みだ。

 また、県は新年度、県内医療環境の改善にも注力する。安心して子どもを産み育てられる環境づくりに向け、医師不足などで遠方での出産が必要な妊婦の交通費や宿泊費に加え、同行者の宿泊費用を支援する市町村に対する補助を新設。精神科の受診者数が近年増加傾向にあるため、県中、県南地方で精神医療の救急診療体制の整備を目指した精神保健指定医の輪番制を構築するモデル事業に取り組む考えだ。

 県の新年度一般会計当初予算案は総額1兆2000億円台を見込んでいる。震災、原発事故からの「復興・創生分」として2千億円台が見込まれており、新型コロナ対策費の減少などから通常分は1兆円を下回る程度となる見通しだ。