若者の定着策強化 福島県新年度当初予算案、Uターン促進など

 

 深刻化する人口減を受け、県は新年度、若者の県外流出を防ぐための対策を強化する。首都圏在住者のUターンを促すプロジェクトや農業、看護分野の人材確保に向けた支援、移住者への住環境整備などを後押しする新規事業を新年度当初予算案に盛り込む方針で最終調整を進めている。

 Uターン促進プロジェクトでは、首都圏に住む本県出身の若年層による大規模な交流会の開催などを検討している。農業分野では、2年続けて過去最多を更新するなど好調な新規就農者の増加傾向を捉え、移住就農者の受け入れ態勢の強化や農業法人とのマッチング支援を検討する。若者の県内定着を目的に、小中学生らに看護職の魅力を伝える機会を設ける。

 移住を検討する人が県内に滞在できる住宅や、新規就労者を対象にした県営住宅の提供を検討する。人口減が著しい過疎・中山間地域で持続的に地域を運営していくため、住民主体の組織形成も支援していく。

 国立社会保障・人口問題研究所がまとめた将来推計人口によると、2050年の県内人口は124万7000人で、20年時点の3割に当たる58万6000人が減る。県は若者の県内定着や移住者増に向けてこれまでも取り組みを進めてきたが、歯止めがかからない状況に強い危機感があり、各部局で事業構築を進めている。

 生活習慣病予防へ減塩食環境づくり

 県は新年度、生活習慣病の予防に向け、減塩できる食環境づくりを推進する方針を固めた。働き盛り世代の食塩摂取量の実態把握や、食生活の改善に向けた普及啓発などに取り組む見通し。新年度当初予算案への事業費計上に向けて調整を進めている。

 県民の食塩摂取量が2016年の国の調査では男性11.9グラム、女性9.9グラムでいずれも全国ワースト2位となっている。「健康長寿県」の実現に向けて減塩対策が急務となっている。

 地方鉄道利活用へイベントやサイト

 県は、県内地方鉄道の魅力を再発見し、利活用を促進する新規事業に4千万円を計上する。イベント開催やウェブサイトの活用を通じて各路線の魅力発信を強化し、沿線住民が地域の鉄道を守るマイレール意識を醸成、利活用の促進に結実させる考えだ。

 JR東日本が昨年11月に公表した2022年度の各路線の収支状況ではJR水郡線、只見線、磐越西線、磐越東線の4路線9区間が全て赤字だった。公共交通の確保へ向け、収支改善が喫緊の課題となっている。

 県内ではJR水郡線、只見線、磐越東線、常磐線の各路線について、沿線自治体などが協議会を設置。第三セクター・阿武隈急行の経営改善策を協議する検討会も開かれ、各地で利活用の推進を模索している。