福島県沿岸漁獲量6530トン 23年3漁協、第1原発事故後最多

 

 本県沿岸の操業で、相馬双葉、いわき市、小名浜機船底曳網の3漁協の2023年の水揚げ量は速報値で6530トン(前年比18%増)となり、東京電力福島第1原発事故後最多となった。第1原発の処理水の海洋放出後も回復傾向に変化はなかった。県漁連が30日、いわき市で開いた組合長会議で報告した。

 23年の水揚げ量は、事故前の10年との比較では25%ほどにとどまっている。23年の水揚げ金額は39億8593万円で、事故前の約43%だった。

 3漁協のうち、前年比で最も伸びたのは相馬双葉漁協だった。同漁協では、底引き網漁の水揚げ金額が11億8000万円で前年より1億5000万円増えた。マサバやヤリイカ、メヒカリが好調で金額を押し上げた。一方、オキナマコは前年比6400万円減の6700万円で、処理水放出の影響で1キロあたりの平均単価が300円安で推移しているという。

 県漁連の野崎哲会長は「処理水の海洋放出は今のところ大きな影響はない」とし、水揚げ量の回復傾向については「本格操業に向け、この調子で本県漁業を復興させたい」と語った。「震災前の50%の水揚げ量を達成するには他県沖への出漁を検討するなどしなければならない」とも述べた。