南相馬でオウムガイ化石発見 日本初確認の2種類

 
(写真上)鈴木さんが見つけた化石。(写真下)西さんが見つけた化石。いずれも撮影用に白く着色されている(県立博物館提供)

 福島県立博物館学芸員の猪瀬弘瑛(ひろあき)さんらの共同研究グループは南相馬市の約1億3千万~1億5千万年前の地層からオウムガイ類の化石2種類を発見し、いずれも日本では初確認の種類だと突き止めた。「生きた化石」と呼ばれるオウムガイ類の生息地が変化した理由や、進化の歴史の解明につながる可能性があるという。同博物館が31日、発表した。

 猪瀬さんによると、オウムガイ類は欧州と北アフリカ周辺にあったテチス海にすんでいて、約1億5千万年前の中生代ジュラ紀の終わりから中生代白亜紀の初めに太平洋西部へ移動したと考えられている。しかし、この時期の化石が国内では3種類しか確認されていないため、移動理由の研究が進んでいなかった。

 今回発見した2種類の化石はいずれもこの時期のものだった。5種類の化石が確認できたことから、猪瀬さんは「太平洋西部で進化して種類が増えたのではなく、テチス海から複数の種類が移動してきたと考えられる」と推測。過ごしやすい水温など5種類の共通点を調べれば移動の理由を探ることができるとしている。

 研究グループは猪瀬さんのほか、相馬中村層群研究会の西夏輝さん、南相馬市博物館の二上文彦さん、東北大地学ゼミナールの鈴木颯一郎さんら計5人。南相馬市鹿島区の地層で2022~23年に鈴木さんと西さんが化石を見つけた。

 鈴木さんが見つけた化石(鈴木標本)は約1億4500万~1億3260万年前(白亜紀前期)の地層から見つかった。西さんが見つけた化石(西標本)は約1億5480万~1億4500万年前(ジュラ紀後期)の地層から見つかった。

 また鈴木標本は直径約31センチで、記録が確認できる中では中生代のオウムガイ類の化石で最も大きかった。

 鈴木標本は県立博物館、西標本は南相馬市博物館で1日から展示される。