【環境考察/森の再生】「二重」の森林環境税 県、内容の違い説明

 
木製の遊具で遊ぶ園児。整備には県の森林環境税が活用されている=会津若松市・とうみょう子ども園

 子どもたちの元気な声が響く会津若松市のとうみょう子ども園。園舎の床には県産木材が使われ、外には木製の遊具が設置されている。「木のぬくもりや県産木材の良さが感じられる施設にしたかった」と副園長の大竹舞(49)は木材活用の意図を明かした。

 木製遊具などの整備には県の森林環境税を活用した。「予算面の負担が減るほか、希望した遊具を作れる。子どもたちは木と一緒に過ごすことができ、楽しく遊んでいる」。大竹は駆け回る園児の姿に目を細めた。

 森林環境税はさまざまな形で活用されている。県森林計画課によると、2022年度の税収は約11億6200万円。森林環境保全や学校設備への活用、イベントの開催などに充てられているという。

 一方、県民は24年度から、森林に関する新たな税金を納めることになる。それが、森林整備などを目的にした国の森林環境税だ。個人に年額で千円が課税される国の森林環境税は、その全額が「森林環境譲与税」として都道府県や市区町村に配分される。自治体はそれを間伐や木材利用の促進、普及などに活用する計画だ。

 国の制度がスタートすると、二つの森林環境税を納めることになるため「二重の負担」との声もある。県森林計画課の担当者は「それぞれの税制目的を踏まえ、内容の違いを丁寧に説明していきたい」と説明する。

 ■配分割合も課題

 森林環境譲与税は配分割合も課題の一つだ。先行する形で19年度から配分が始まっているが、基準は私有人工林の面積や人口などの割合で決められるため、横浜市や大阪市など都市部の自治体に多く配分されてきた。森林割合の少ない都市部では使い道がそれほど多くないことから、大半が活用されずに基金に積み立てられている。

 国は現在、配分基準を見直しており、山間部への配分が手厚くなる方向で議論が進んでいる。

 ■使途公開「必要」

 財政問題などに詳しい東京経済大経済学部准教授の佐藤一光(44)は「森林や林業を強化していくことは間違いなく必要」と強調する。ただ、森林環境譲与税が有効に活用されなければ意味がない。「何に使うかは各自治体に任されており、使われ方次第で変わってくる。より効果的な活用が重要になる」と指摘。森林整備やイベント開催のほか、人材育成や林業従事者の労働環境改善も活用法の一つに挙げ「行政側は使途を公開し、市民もそれをチェックしていくことが大事」と訴える。(文中敬称略)

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 県森林環境税 森林環境の保全などを目的に2006年度に導入された。納税額は個人と法人で違い、個人の場合は年間千円、法人の場合は資本金などによって税率が変わり、年間2千~8万円を納める。